番号 | 名称 | 人数 | 命付(みことづけ) | 採物 (とりもの) | 舞の内容、場所、唱儀 |
1 | 地神楽 | 4人舞 | 八十禍津日神(やそまがつひのかみ) 大禍津日神(おおまがつひのかみ) 神直毘神(かむなおびのかみ) 大直毘神(おおなおびのかみ) |
舞衣 鳥帽子 鈴 扇 |
神鎮の舞 場所、高天原 唱儀 1.小夜中に綾の風こそ吹き来たり、神風なればしなや神風。 2.抑々(そもそも)祇園牛頭(ごづ)天皇の御本地を奥深くたずぬれば、土の帝に閉じこもらせう給(たも)うこれなり。 3.川龍(かりゅう)の乙姫は、八年に八人のお子の契りをこめさせ給うこれなり。 4.太郎は月神、次郎は日神(にちがみ)、三郎の王子は須佐之男命と拝まれ給うこれなり。 5.四郎の王子は、丹平(たんびら)天皇、五郎の王子は、牛頭天皇、六郎の王子は六自在天神とこそ拝まれ給うこれなり。 6.七郎の王子は矢草の七郎灰高(はいたか)天神、八郎の王子は八葉殿居間尊(はちようでんいるまのみこと)と拝まれ給うこれなり。 7.仰ぎ願くば四人の祈(ねぎ)が静かに遊びを参らする御唱儀これなり。 |
2 | 場神楽 | 4人舞 | 大国主命(おおくにぬしのみこと) 事代主神(ことしろぬしのかみ) 少名毘古那神(すくなひこなのかみ) 建御名方神(たけみなかたのかみ) |
舞衣 毛笠 鈴 扇 |
神降ろしの舞 場所、出雲 祈歌 1.小夜中に綾の風こそ吹き来たり、神風なればしなや神風。 2.注連(しめ)引けば、ここも高天の原なるぞ、集まり給え、四方の神々。 3.君が代の、久しかるべき、ためしには、かねてぞ嬉しき、住吉の松 |
3 | 地荒神 | 1人舞 | 猿田彦神(さるたひこのかみ) | 千早 毛笠 神面 鈴 扇 |
猿田彦の舞 場所、おのころ島 |
4 | 東征 | 4人舞 | 高御産巣日神(たかみむすびのかみ) 闇淤加美神(くらおかみのかみ) 天之水分神(あめのみくまりのかみ) 国之水分神(くにのみくまりのかみ) |
舞衣 毛笠 鈴 扇 |
水を呼び降ろす舞 場所、高天原 祈歌 1.小夜中に綾の風こそ吹き来たり、神風なればしなや神風。 2.注連引けば、ここも高天の原なるぞ、集まり給え、四方の神々。 3.君が代の、久しかるべき、ためしには、かねてぞ嬉しき、住吉の松 |
5 | 浮江 | 2人舞 | 大国主命(おおくにぬしのみこと) 少名毘古那神(すくなひこなのかみ) |
舞衣 毛笠 鈴 扇 |
国つくりの舞 場所、出雲 祈歌 1.小夜中に綾の風こそ吹き来たり、神風なればしなや神風。 |
6 | 幣神事 | 2人舞 | 神倭伊波礼毘古神(かむやまといわれひこのかみ) 五ツ瀬神(いつつせのかみ) |
舞衣 毛笠 鈴 扇 |
国つくりの舞 場所、出雲 |
7 | 四人鞭 | 4人舞 | 布刀玉命(ふとたまのみこと) 天宇受賣命(あめのうづめのみこと) 伊斯許理度賣命(いしこりどめのみこと) 五ツ瀬命(いつつせのみこと) |
舞衣 毛笠 鈴 鞭 |
五ツ瀬命の天降りの舞 場所、高天原 |
8 | 杉登り | < 2人舞 | 猿田彦神(さるたひこのかみ) 天宇受賣神(あめのうづめのかみ) |
舞衣 毛笠 鈴 扇 |
場所、高天原 |
9 | 岩くずし | 2人舞 | 須佐之男神(すさのおのかみ) 須賀八耳神(すがのやつみみのかみ) |
鉢巻 鈴 扇 太刀 襷 |
魔除けの舞 場所、高千穂の峰 唱儀 1.小夜中に綾の風こそ吹き来たり、神風なればしなや神風。 2.抑々神子宝剣、内待所に依りて神子とは、来白天魔王の麿の尾の中にありたる物これなり。 3.抑々天神七代、地神五代と申す内、今、出雲の国、築の宮、素盞鳴尊八岐の大蛇を退治給うこれなり。 4.さあれば尾の中に一つの剣あり其の剣、大神宮に納め奉る草那伎の宝剣これなり。 5.此の剣、今尾張の国熱田神宮に納め奉る物これなり。 6.仰ぎ願くば四人の祈が静かに遊びを参らする御正儀これなり。 |
10 | 地固め | 4人舞 | 大国主命(おおくにぬしのみこと) 事代主神(ことしろぬしのかみ) 少名毘古那神(すくなひこなのかみ) 建御名方神(たけみなかたのかみ) |
鉢巻 鈴 扇 太刀 襷 |
悪魔除・国代りの舞 場所、出雲 |
11 | 弓神楽 | 2人舞 | 経津主神(ふつぬしのかみ) 建御雷神(たけみかづちのかみ) |
舞衣 鳥帽子 鈴 襷 弓矢 |
悪魔除の舞 場所、高天原 唱儀 1.小夜中に、綾の風こそ、吹き来たり、神風なれば、しなや神風。 2.抑々弓箭の始と申し奉るは往古神代に武御雷神,経津主神、より始まり、今の世まで伝え給うなり。 3.さあれば弓は高天原に立木一本切り取り、弓を作らせ給うこれなり。 4.さあれば天は二神嶽に立ちし竹を切り取り十五束三伏の矢を作らせ給うものこれなり。 5.抑々今日此の処にて弓箭の舞を納むれば如何なる悪魔災難あるとも弓箭の力にて四方に払い除き給うなり。 6.仰ぎ願くば二人の祈が静かに遊びを参らする御唱儀これなり。 |
12 | 素神舞 | 1人舞 | 須佐之男命(すさのおのみこと) | 千早 神面 毛笠 鈴 太刀 襷 |
悪魔除の舞 場所、出雲 |
13 | 酒こし神楽 | 2人舞 | 足名椎神(あしなづちのかみ) 手名椎神(てなづちのかみ) |
千早 神面 毛笠 襷 桶 ショウケ 杵 手拭い 着物 碗 |
一夜酒つくりの舞 場所、出雲肥の河上 |
14 | 八鉢 | 1人舞 | 須佐之男命(すさのおのみこと) | 千早 裁着袴 神面 毛笠 襷 撥 |
< 場所、出雲 |
15 | 山の神 | 1人舞 | 大山津見神(おおやまつみのかみ) | 舞衣 天冠 神面 鈴 大幣 |
場所、奈良 |
16 | 毘売舞 | 1人舞 | 稲田毘賣神(いなだひめのかみ) | 舞衣 天冠 神面 鈴 大幣 |
場所、出雲 |
17 | 大神神楽 | 4人舞 | 経津主神(ふつぬしのかみ) 武御雷神(たけみかづちのかみ) 倉稲魂神(うかのみたまのかみ) 豊宇気毘賣神(とようけひめのかみ) |
< 舞衣 鳥帽子 鈴 扇 大幣 |
場所、伊勢 唱儀 1.小夜中に、綾の風こそ、吹き来たり神風なれば、しなや神風。 2.神明の前に立つとも尊くも静かに拝み参らすものなり。 3.天よりつばさ鳥と申す翼鳥、五つの門に飛び来たり 一つに天月、二つに二月、三つに三月、四つに四月とこそ拝まれ給う。 4.五つに五月とこそ拝まれ給う。 5.もったいなくも尊き天照皇大神の御光で四方の国々を照らせ給うなり。 御方立 今夜の今宵の神々の上とは信あれば徳あり、御祈祷の為とて、混連夕流東方に立ち向かい立ち並び、ゆり上げ、ゆり降ろし、方々を拝み参らする。 ひがみを拝み参らする。 つきがみの拝みを参らする。 (東西南北中央と五方に向いて称すものなり) |
18 | 〆舞 | 1人舞 | 布刀玉命(ふとたまのみこと) | 千早 毛笠 神面 鈴 大幣 |
注連引きの舞 場所、天岩戸 |
19 | 繰下ろし | 4人舞 | 布刀玉命(ふとたまのみこと) 天宇受賣命(あめのうづめのみこと) 伊斯許理度賣命(いしこりどめのみこと) 五ツ瀬命(いつつせのみこと) |
舞衣 鳥帽子 鈴 引綱 |
注連引き降ろしの舞 場所、天岩戸 唱儀 1.小夜中に、綾の風こそ、吹き来たり神風なれば、しなや神風。 2.今日この処に注連を立たせ給うは、今日の日月を舞い踊らかすと詳させ給う。 3.抑々上の吹流しをさせ給うは、天の浮叢雲を詳させ給う。 4.抑々上の浮輪に三十三本の幣をさせ給うは、天の三十三尺とこそ拝まれ給う。 5.抑々下の浮輪に二十八本の幣をさせ給うは、地は二十八石とこそ拝まれ給う。 6.抑々前に内宮の棚を付けさせ給うは、天の浮橋を詳させ給う。 7.抑々銭を下させ給うは、月の数、日の数を詳させ給う。 8.抑々前に団子を備えさせ給うは、九萬八界の星の数を詳させ給う。 9.抑々三斗三升三合三勺の米俵を備えさせ給うは、御幣さしとこそ詳させ給う。 10.抑々前に綾布をはえさせ給うは、寿命八界、命永き処を詳させ給う。 11.抑々後に山をつかせ給うは、天の岩戸を詳させ給うなり。 12.仰ぎ願くば四人の祈が静かに遊びを参らする御正儀これなり。 |
20 | 二人鞭 | 2人舞 | 大国主命(おおくにぬしのみこと) 事代主神(ことしろぬしのかみ) |
舞衣 毛笠 扇 鞭 |
国つくりの舞 場所、出雲 |
21 | 翁舞 | 2人舞 | 足名椎神(あしなづちのかみ) 手名椎神(てなづちのかみ) |
千早 毛笠 神面 鈴 扇 |
場所、出雲 |
22 | 八雲舞 | 4人舞 | 須佐之男命(すさのおのみこと) 稲田毘賣神(いなだひめのかみ) 足名椎神(あしなづちのかみ) 手名椎神(てなづちのかみ) |
舞衣 千早 毛笠 神面 鈴 扇 太刀 大幣 襷 |
大蛇退治の舞 場所、出雲 |
23 | 猿田彦舞 | 1人舞 | 猿田彦神(さるたひこのかみ) | 舞衣 千早 毛笠 神面 鈴 大榊 |
道案内の舞 場所、高千穂峰 |
24 | 伊勢神楽 | 1人舞 | 布刀玉命(ふとたまのみこと) | 舞衣 天冠 神面 鈴 大幣 |
天岩戸開き用意の舞 場所、天岩戸 |
25 | 御幣 | 1人舞 | 布刀玉命(ふとたまのみこと) | 舞衣 天冠 神面 鈴 大幣 |
天岩戸開き始めの舞 場所、天岩戸 |
26 | 宇受賣舞 | 1人舞 | 天宇受賣命(あめのうづめのみこと) | 狩衣 天冠 神面 鈴 幣 大幣 |
神楽の起源となる舞 場所、天岩戸 |
27 | 柴引き | 1人舞 | 手力男命(たじからおのみこと) | 千早 毛笠 神面 鞭 襷 |
天の真榊を根こぎにされる舞 |
28 | 戸取り | 1人舞 | 手力男命(たじからおのみこと) | 千早 毛笠 神面 鞭 襷 |
岩戸を取り払う舞 場所、天岩戸 |
29 | 手力 | 1人舞 | 手力男命(たじからおのみこと) | 狩衣 毛笠 神面 幣 大幣 |
手力男命の力強さを表した舞 場所、天岩戸 |
30 | たたら舞 | 1人舞 | 手力男命(たじからおのみこと) | 狩衣 毛笠 天冠 神面 鈴 襷 |
天照大神お迎えの舞 場所、天岩戸 |
31 | 由布舞 | 1人舞 | 手力男命(たじからおのみこと) | 狩衣 毛笠 天冠 神面 鈴 襷 |
天照大神お迎えの舞 場所、天岩戸 |
32 | 舞開き (拝の舞) |
2人舞 | 天照大神(あまてらすおおかみ) 手力男命(たじからおのみこと) |
狩衣 毛笠 天冠 神面 鈴 襷 |
天照大神のお供の舞 場所、天岩戸 舞開きの歌 1.榊葉は、何時の月日に植えそめて、天の岩戸に、口を定むる。 2.岩戸出て、四方の国地も明らかに、しめくぎ縄の、しるしなるらん。 3.うれしさに、我はここにて舞遊ぶ、舞い姿ぞ、開く天の岩戸 4.大神宮の、まします道に綾はえて、にしきとはえて、神はまします。 |
33 | 花神楽 | 4人舞 | 宇伽御魂神(うかのみたまのかみ) 大国主命 大年神 御年神 |
鉢巻 鈴 扇 襷 御供鉢 |
五穀を国々に蒔かれる祝いの舞、神楽の終わりに舞う舞 場所、出雲
唱儀 1.小夜中に綾の風こそ吹き来たり神風なれば、しなや神風。 2.西に向いて開く花の色は、赤き花の色にて開き給うこれなり。 3.南に向いて開く花の色は、青き花の色にて開き給うこれなり。 4.北に向いて開く花の色は、白き花の色にて開き給うこれなり。 5.中央に向いて開く花の色は、金に白蒻黄色の色にて開き給うこれなり。 |