かわら版 「風」
2001年7月15日号
第1巻 第1号 (通巻1号)  発行者 やまめの里 企画編集 秋本 治 五ケ瀬町鞍岡4615  電話0982-83-2326



 いよいよこれから「議会に風を! 開かれた町政をめざして」の実践を開始します。
 先ずは、みなさんとの情報交換の場としてこの私設カワラ版「風」を立ち上げました。軽く書いていきますのでご意見をどしどしお寄せください。
 議会活動は、8月1日からです。お困りや相談ごとは遠慮なくお知らせください。

●滝開きのお知らせ
 7月22日(日)は、このたび発見しました木浦の「滝開き」を行ないます。
マイクロバスで行きますので午前8時にやまめの里までご集合ください。
地下足袋がけで弁当をご持参ください。尚、クワやナタなど持参してくださり神事終了後周辺の整備にご協力くださると嬉しいです。

●テレビ放映のお知らせ
 前記の幻の滝の番組が7月22日(日)午前10時30分より15分間TBS系テレビ(宮崎はMRT、熊本は、RKK)で放送されます。ビデオ録画の準備をしましょう。

議会日程

7月9日 10:00〜 当選証書受領式 町民センター
 8月1日初議会予定。
まだ正式な文書はきておりません。7月末ころ1度打ち合せの会があるそうです。8月からが任期でそれまで議会活動はしないようにと連絡がありました。


情 報
●江戸川大学教授の鈴木輝隆さん他、多くの方からお祝いのメッセージが届きました。ご紹介します。
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秋本治さん
素直な文章、感動しますね。多くの仲間に転送しました。ただこれからですね。
今、高柳で取り組んでいる企画書をおくります。
資源発掘はやりません。考え方は、
・観光すると地域の生活文化がやせる。
・地域の文化や生きがい対策では経済が持たない。
・資源をそのまま使っても消費するだけ。
・まちづくりでものを作っても自己満足と魅力のない商品。
そうしたことを考えて、やる気のある人のまちづくりと商品作り。これにきちっとした対応です
市町村合併もこうした足元のことをしていかないと何も変りません。
小泉さんで日本の地域は変りません。
きっともっと大変なことになると思います。
競争社会は格差を生む、勝つのは大都市です。情報や財源が違います。
考え方と行き方のデザインと編集、それに付加価値をつけて自力をつけること。です。
暑い日に暑いものを読ませていただきました。地元に対してこれからは、甘えでなく、切実な戦いをしていかねばなりません。
全国の仲間も期待しています。楽しみにしています。一隅を照らすことからしか地域は変りません。お体御自愛ください

鈴木輝隆
江戸川大学 社会学部経営社会学科
〒270-0132 千葉県流山市駒木474
TEL0471-52-0661 FAX0471-54-2490
E-mail tsuzuki@edogawa-u.ac.jp
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●県立総合博物館の斉藤政美氏からも下記のメッセージが届きました。
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こんばんは 宮崎の斉藤です。町議当選は新聞で知りました。なんで今更とも思いましたが、それはまた秋本さんに期するものがあるからだとまた思い直したものです。青天の霹靂とでも言いましょうか。ヒョウタンから駒と言いましょうか。誠に失礼な言い方ですが、秋本さんからはこれまで政治の臭いがしなかったので少々驚いています。
 しかし、いったん入り込んだからには、とことんがんばってください
これからのご活躍を祈っております


町づくりのキーワード

地域循環経済学
 この概念は、限られた地域の中でお金を限りなく循環させるという考え方で、地域づくりの中で外部に頼らず地域経済を高める手法です。

 町内には、五ケ瀬ハイランドスキー場やGパークなど数十億もの金額を町が投資したプロジェクトがあります。この中でわかりやすく説明するためにスキー場を例にとってみましょう。
 スキー場の売上が、仮に四億円とします。あくまでも例えで正確な数字ではありませんが、この四億円の売上がすべて町外から仕入れたものだけで商売しますと、売上の大部分は町外へ出てしまい、経済効果は四億円のみでそれも企業の収支に影響があるのみで当事者以外は空洞化の経済です。
 ところが、この四億円のお金をもう1度町の中を廻すことにしますと、八億円になります。人件費、お米や魚、肉、野菜、果物、飲み物、お土産品すべてのものを町の生産者から或るいは、商店から仕入れますと経済効果は2倍の八億円となります。お金が町の中を循環します。
 さらに、お客様を宿泊させますと宿泊費から食事の材料、備品、消耗品、修繕費、設備費すべてお金が町の中を廻ります。商店から建設業まで波及効果がでてきます。そうするとスキー場の経済効果は、12億円と3倍に膨れます。
 このようにして、1度町に入ったお金を限りなく町中をぐるぐる廻す仕組みをつくると何倍もの経済効果が出てきます。


随筆 連載シリーズ-1
 
当選のお祝いで下記の論文を送って頂きましたのでので連載します。
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〜 都市と農村の交流 消費者と生産者の新たな共生 〜

北海道自治研修センター 中島興世

恵庭に来て良かった
私の農業へのアプローチはあることから大きく変っている。そのエピソードから紹介しよう。
私は札幌市と新千歳空港の中間に位置する恵庭市に暮らしている。15年ほど前に、友人に恵庭に住まないかと誘って、札幌から引っ越してもらったことがある。恵庭に住むようになって2〜3月経ってから彼の奥さんがこう言った。「中島さん、私、札幌から恵庭に来て本当に良かったわ」。都市に暮らすことがステータスで、田舎は遅れたものという通念にどこがで影響を受けていたからだろう、私は思わず「なぜ?」と尋ねた。彼女は「こんなに美味しくて、こんなに新鮮で、こんなに安全な野菜を、それも農家から直接買えるなんて夢みたい」と答えた。恵庭で頑張っていた有機野菜農家を紹介していたのだが、彼女は早速その農家を訪ね、直接野菜を購入していたのだ。
そうなのだと強く打たれた。農業の問題というと専ら生産者側の問題として捉えていた。農業はもうからない、後継者がいない、農業をめぐる環境は厳しいといったことしか考えていなかった。
しかし農業の問題は消費者の問題でもある。農業を農家のみの問題として捕らえるのではなく、市民・消費者との関係から、更にはまちづくりの視点から考える、複眼的・多角的な思考・アプローチの必要性を、その奥さんの発言から痛感させられた。
大切な食を支える農業が身近にありながら生産者と消費者は互いに背を向け合って暮らしてきた。恵庭には4,500haの農地と65,000人の市民が一緒に暮らしている。しかし交流はない。この関係を変えることができるなら、豊かなまちづくりの未来が広がると考えられる。

農業衰退の原因
農業衰退の原因は何か。「生産者と消費者の交流が皆無になったことがすべての元凶だ」という意見がある。核心をついた意見ではなかろうか。
衣服でも、電化製品でも、作った商品が、消費者にどのように受け止められているかということと無関係に続ける生産活動は、それ自体既に誤りであろう。今の農業は商品としての農産物を生産している。農産物は命を育むものだから、消費者との信頼関係は他の商品より強く求められる。ところが、生産者は作った後は農協に出荷して、それで終わりだ。消費者がどのように感じているかについては、およそ関心を持たない仕組みになっている。
生産者にそうした問題があるとして、他方で消費者はどうだろう。これまでは大都市の消費生活が憧れの的だったから、スーパーで快適にショピングする。東京も札幌も、私の暮らす恵庭も、みな同じといって良い。ところがそうした消費生活の裏側で、気が付くと、確かに見た目には良いが、栄養分はどんどん失われて、食品栄養分析表は下降修正の一途をたどる。旬の味は失われ、安全性にも疑問が持たれるようになってきている。
ある大手スーパーが赤字だというので、調査した。職員は勤務する店では、野菜を驚くほど買っていなかったという。本当に「スーパーで快適にショッピングする」というのが憧れのライフスタイルたりうるのか考え直してみるべきだろう。
生産者は専ら大消費地に出荷し、消費者はスーパーへということだから、すぐ近くで暮らしていながら、その距離はあまりにも遠い。食を支える豊かな農業が身近にありながら、なぜ大都市のマネをしなければならないのだろう。
生産者と消費者のそれぞれの問題をつなぎあわせたい。北海道の豊かな食料生産地としての特性を生かした、大都市の人にもうらやましがられるような豊かなライフスタイルを実現したい。私はそこに北海道と北海道農業の未来があると信じている。

続かない食料輸入
人口爆発と経済成長による乳肉製品の需要急増で、深刻な食料危機が間近に迫っているというのは、ほぼ共通の認識だ。日本経済の成功がどこまで続くのか、かなり怪しくなってきているのだが、たとえ成功を続けたとしても食料輸入はいずれ難しくなろう。今は国際的に食料需給が緩和しているからもっと食料を輸入せよと要求される。しかし食料需給が逼迫してくると、金にまかせた食料輸入は、アフリカあたりに飢餓を広め、国際的な批判の矢面に立たされることにならざるを得ないだろう。早晩、食料輸入は困難な局面を迎える。
だから日本の農地・農業はやはりとても大切なものだということになる。農地・農業は、私達の世代の食を賄う為にあるだけではない。次の世代の子供達の食を支えるものだ。
私たちはわずか30年余りで100万ヘクタ−ル以上の農地を潰し、日本民族始まって以来の農業破壊を続けている。残念なことにその歯止めはまだかかっていない。600万ヘクタ−ルあった農地は、今や495万ヘクタ−ルと100万ヘクタ−ル以上減っている。この495万ヘクタールの農地の中には膨大な耕作放棄地が含まれている。
国民一人当たりの農地面積は4アール、120坪に過ぎない。国際的に比較すると、アメリカの45分の1、フランスの14分の1、イギリスの8分の1、ドイツの5分の1といったところだ。このまま農地を荒廃させていって良いのだろうか。
次の世代への責任を強く自覚すべきだ。食料危機に出遭うであろう私達の次の世代は私達をどのように評価するだろうか。少し金を儲けたばかりに良い気になって、自分達のことしか考えなかったエゴイストということになるのではないか。
農林水産省の篠原孝さんは『第1次産業の復活』という本の中で「アメリカ大陸の牛肉と、インド洋のエビと、中国の野菜と、熱帯の果物が、一人の日本人の小さな胃袋に同時に入ってしまうのは、とてつもないことだ」と指摘している。全くその通りで、我が国の食はどこか狂ってるというしかいいようのない状態だろう。食料輸入や食と農業の在り方をもう一度考え直すべきだ。キーワードは「地産地消」だ。
(以下次号に続く)